叶えられないね

いつもより ウオーキング
早めに切り上げて 帰る途中
前を歩いてきたおじいさんにふと 目がいった。
カートの中央に買い物のビニール袋をちょこんと
乗せてゆっくりゆっくり歩いてくる。
すれ違うとき 帽子に隠れた顔が見えた。
その顔は 歯をくいしばって ものすごい
形相をしていた。
それは 私の父が生前 歩けるようにと
必死でリハビリしていた時の顔に瓜二つだった。
私は胸がキューンと締め付けられた。
その途端駆け寄って カートを家まで押して行きたいと
思ったけど・・・勇気も無く
そのまますれ違った。
背中を丸めた後姿も父にそっくりだった。
父に もう一度 あいたいなー